裸を見るのが恥ずかしくて、陸くんに背中を向けたままで話をする。
「ねえ。陸くん。ユニホームに着替えて、どうしようとしてるの?」
「あれ? 美幸さんは見てないの? 谷田部首相のTV会見」
「何のこと?」
「セルベルク危機から人類を救うためにソラシドレスキューの力を借りたい。至急に
南九州宇宙センターに来てほしい。そう呼びかけていた」
「そうなの? 知らなかった。きっと、私が家を出た後に放送されたんだね。でも、
丁度良かった。今度の事で、ソラシドレスキューが役に立てればと思っていたんだ。
私も着替えるから、直ぐに行こう」
「えっ? 君も?」

「君もって、私が行かなくちゃ意味がないでしょ。それに、空も飛ばずに、陸くんは
南九州まで、どうやって行くつもりなのだったの?」
「それは……その……」
「だいいち、ソラシドレスキューはいつも二人だから、一人で行ったらコスプレとか
思われて、追い返されちゃうよ」
「そ、それも……そうだね……」

 どうしたんだろう。陸くん。受け答えが変だ。
 そういえば、シーちゃんやアッキーも様子が変だった。
 三人に何があったんだろうか?
 ひょっとして、セルベルクの接近の影響? まさかね。オカルトじゃあるまいし。

 兎に角、首相直々に救助要請されたのでは、直ぐに出発しなくちゃいけない。
 着替えが終わった陸くんを部屋から追い出し、自分のユニフォームを身に纏う。