もう一度、陸くんに電話をかけてみる。やはり繋がらない。
 さて、どうするか。
 ソラシドレスキューのメンバーの中で陸くんの家に一番近いのはシーちゃんちだ。
そう思って、シーちゃんに電話をかけてみる。
 接続不能の合成音声が返る。繋がらない。諦めずに、もう一度。
 呼び出し音が聞こえた。すごい、奇跡だ。呼び出し音を聞いたのが久しぶりな気が
する。
「もしもし。美幸?」
「シーちゃん? 良かった、繋がって」
「ホントだよ。昨日から、誰にも連絡がつかなくてさ。心細くて泣きそうだったよ。
美幸ぃ。何か、凄いことになっちゃったね。私、怖くて怖くて、何も手がつかない」
「私もそうだよ。ところでさ、そっちに陸くん行ってない?」
「陸? くん? 誰?」

 なんだ? シーちゃんのこの反応は?
「何いってんの。陸くんは、陸くんだよ。ソラシドレスキューの佐藤陸くん!」
「ソラシドレスキュー? なにそれ? テレビでも、そんな名前を連呼してたけど、
その事?」