「僕らの超能力も同じなのかもしれないね」
「私達の……超能力?」
「そう。触れずに物を動かしたり、空中に浮かんだり。一人の人間としたら並外れた
能力だけど、違う視点から見たら、出来てしかるべきの能力なのかもしれない」
「どんな視点?」
「そこは、僕にも分からない。でも、個人のレベルとかじゃなく、もっと大きな視点
だと思う」
「例えば?」
「全人類の視点とか、生き物全体の視点。そんな感じ」
「人間の進化とか?」
「そうかも知れない」

 それって、私が進化した人間ってこと? 私って新人類《ミュータント》?
 自分が人間とは違う生き物だと想像すると、何だか薄気味悪い。
 進化した人間だと言われても、嬉しくはない。
 私は普通の人間だ。周りの人と変わりがない、平凡な人間だ。
 そうであって欲しい。
 自分が新人類。
 そう思った瞬間、今まで感じたことのない孤独感に襲われた。
 何だろう、この気持ちは?
 私は普通の人間でありたい。そう、強く思う。