私は小走りで、その家の玄関に回る。
インタホンを押すと、暫くして、優しい顔の小柄な女性が現れた。
陸くんのお母さんに違いない。
「私、陸くんの同級生の天野美幸です。陸くんにお話しがあって伺いました」
と用向きを告げる。
「あら、まあ、それは。さあ、どうぞ、どうぞ」と玄関に招じ入れられた。
小ざっぱりと纏まった綺麗なお宅だ。
「陸―。お友達がいらっしゃたわよ。降りて来なさーい」
と、お母さんが二階の陸くんを呼ぶ。
ちょっとの間があって、階段から陸くんが降りてきた。
露骨に嫌そうな顔をしている。
「どうして、ここが分かったの?」
挨拶も無しに陸くんが話を始める。その様子を見て、陸くんのお母さんがビックリ
した顔になる。
「歩いて探したの。そしたら、白いカラスを見つけて……。後を追って来たら……」
「なるほど。それはご苦労な事で……。だけど、天野さんが来た理由は想像がつく。
そして、僕には何も話す事は無い。以上」
そう言い残して、陸くんは私に背を向け、二階に上がっていく。
「陸。なんてこと言うの、お客様に失礼よ。陸、戻ってらっしゃい。陸」
お母さんが、大慌てで陸くんの後を追って、二階に上がる。
二階で陸くん親子の間で悶着が続く。
インタホンを押すと、暫くして、優しい顔の小柄な女性が現れた。
陸くんのお母さんに違いない。
「私、陸くんの同級生の天野美幸です。陸くんにお話しがあって伺いました」
と用向きを告げる。
「あら、まあ、それは。さあ、どうぞ、どうぞ」と玄関に招じ入れられた。
小ざっぱりと纏まった綺麗なお宅だ。
「陸―。お友達がいらっしゃたわよ。降りて来なさーい」
と、お母さんが二階の陸くんを呼ぶ。
ちょっとの間があって、階段から陸くんが降りてきた。
露骨に嫌そうな顔をしている。
「どうして、ここが分かったの?」
挨拶も無しに陸くんが話を始める。その様子を見て、陸くんのお母さんがビックリ
した顔になる。
「歩いて探したの。そしたら、白いカラスを見つけて……。後を追って来たら……」
「なるほど。それはご苦労な事で……。だけど、天野さんが来た理由は想像がつく。
そして、僕には何も話す事は無い。以上」
そう言い残して、陸くんは私に背を向け、二階に上がっていく。
「陸。なんてこと言うの、お客様に失礼よ。陸、戻ってらっしゃい。陸」
お母さんが、大慌てで陸くんの後を追って、二階に上がる。
二階で陸くん親子の間で悶着が続く。