「本当に俺が食べていいのか?」
俺が聞くと、大桃は大きく頷いた。
「もちろん! 喜んでくれた人に食べてもらえるって、すっごく嬉しいことなんだから!」
ここまで言われては、遠慮出来ない。俺は彼女の小さな手から、ハート型のマカロンを取った。
「じゃ、いっただっきまーす! ……って、既に1つ食べたから、いただいています、だったな!」
おどけた俺に対して、大桃は可愛らしく高い声で笑った。
本当に美味しい。マカロンは、成分の半分以上が砂糖なので、かなり甘い。砂糖の味しかしなくて嫌いな人も、俺の友達にいるけれど、俺は好きだ。
俺は甘党だし、このさくさくした食感が好きなのだ。
「嬉しいなぁ、こんなに喜んでくれるなんて。植松くんのためだって思ったら、またマカロン作りたくなってきた!」
大桃は、マカロンのようにふんわりと笑った。
「植松くんって、頭いいし、褒めるのが上手だし、一緒にいるとすごく嬉しい」
なんて可愛いことを言うんだろう、と俺は思った。