もし仮に独りになりたいとすれば
公園…とか?
「こんな時間に若い女子が独りってのは
さすがにかなりマズイよね…」
『どうかいませんように』と願いながら
公園なんかを見まわっても
イチャイチャしてるカップルはいるけど
(よく雨の中イチャイチャ出来るよなぁ…。)
早乙女さんの姿はどこにも見当たらない。
「検討がつかないのに
捜しまわるのは無謀だよね…」
半分諦めながら
線路沿いを歩いていると
カンカン…と踏み切りの音が聞こえてきた。
「電車に乗って一人旅とか…
って、それはないか」
我ながらなんともつまらん冗談を吐きながら
なんとなく踏切に視線を移すと
目に飛び込んだのは―――
「え、早乙女さん?」
実際、そう見えたかどうか
雨で視界が悪かったから
正直ハッキリとはわからない。
けれどその人物は
雨が降ってるにも関わらず傘を差さず
フラ~っとした足取りで
踏切を潜り抜けていた。
「…ッ」
自分の行動に
自分が一番驚いた。
考えるよりも先に体が動き
全速力でその人物の元に駆け寄り
全力と阻止したんだから。