「うわ、最悪。
 結構 降ってんじゃん」


外は大粒の雨が地面を激しく叩きつけている。


「煌月、傘持ってたかなー」


って、アイツなら大丈夫か。
そういうところ用意周到だし。
アタシよりしっかりしてんだよね。
あ、もちろんアタシだって
折り畳み傘というモノを常備していますぜ。
これぞ女子力。←単純。


思った以上の土砂降り。
そのせいか若干寒さを感じるほど。
明日は晴れてほしいな。
洗濯物をベランダに干せないでしょうに。

なんて呑気な独り言を考えていると。


―――プルルルル。


着信だ。


「煌月からだ…
 なんだろ?」


さっき別れたばかりなのに
もしかして忘れモノ?
なんて思いながら電話に出てみると…


『七星!
お前今どこにいる!?』

「え?何?いきなり…」


慌てた様子の煌月の声色に
少しビックリしたよ。


『ヒナコがいなくなったんだ!』

「え?」


早乙女さんがいない?
それって…
行方不明って事?