毎日目立たず仕事をしてきたのに
この人と再会した初日
大注目の的となってしまった。
そこから女性陣の噂の標的になり
今じゃ付き合ってるって話が定着し
アタシの平和な毎日が危険に晒されている。
しかもアタシはアタシで
元カレの再告白とやらに
まだ返事をしていない。
いや…違うな。
「付き合いません。
ヨリを戻す気はありません」
「それでも諦めないから。
よく考えて返事してほしい。
急がなくていい。
俺は待ってるし、もう離れない」
断ってるのに
この男が動じてないだけだった。
「よく考えた上の返事なんすけど…」
絶対わかってないよなぁ、この人。
…とは言え
これからも仕事での付き合いはしていかないといけないか…。
「なぁセツナ
今晩、空いてる?」
「は?」
「ご飯行かないか?」
おいおい。
その付き合いは仕事と関係ないでしょ。
「だからアタシは――」
「食事に誘うくらいなら
いいよな?」
遮られた上に
かなり強引だぁぁぁ。
「セツナ」
「だからッ」
「体、あんまり無理するなよ?」
なぜなぜなぜこのタイミングで
優しくします!?