「ありがとうね…
おやすみ…」
睡魔も来たから
このまま寝ようと思う―――
「…本当に緊張感がねぇな」
ギシッと軽く軋むベッド。
アタシが眠る隣に腰掛けた煌月は
悪戯に笑う。
「俺も男なんだから
あんまり無防備だと
何するか、わかんねぇぞ?」
枕元にそっと手を付き
月に照らされ顔に掛かる前髪をそっと分けながら
独り言のように呟いた。
「2人が話してたの聞こえて
別れた理由を初めて知った。
ずっと話そうとしなかったもんな、お前は…。
その意味がわかった気がする。
だけどあの人は今でもまだ…」
そう言い掛けて
最後までは声に出さなかった。
ただ1つだけ
小さく囁いた。
「…少しはあの男も俺の事も
警戒しろよな…七星」
まさかそんな事を言われたいたとも耳に入らず
アタシは眠りに落ちていった―――