「心配…だったんだ。
 だから陽向さんに話して
今後は仕事量を少しセーブしてもらおうと思った。
 だけど、勝手な事して…悪かった」

「煌月…」


心配…とか
そんな風に思っていた事も知らなかったし
それになんで急に素直なのさ…
普段じゃ絶対言わないのに
今日、変だよ。


「今日の煌月、らしくない…。
 調子狂うからやめて」

「は?」

「気を取り直して乾杯しよ!!」

「アホか?お前。
 人がせっかく心配してやってんのに
 そもそも風邪引いてる人間が酒なんて飲むなよ」

「景気づけっしょ?
 ほら、煌月も飲むよッ」


レジ袋の中からビールを二缶取り出し
両方開けて勝手に乾杯を始めてみた。
※良い大人はマネしないでください。

アタシ達には
しんみり感ある話題は合わないよ、うん。
ちょっと仕事を頑張っただけで
ココまで気に掛けてくれてた事にも正直驚かされたし。
まぁ手術とか後遺症とか
煌月にとっても気が気じゃないんだろうけど。

思いがけない行動(口止めを無視した)には
この野郎!とも思ったけど
心配してくれたのは
感謝しないとな…。