「ふーん」


思った以上のドライな反応。
興味がないならなぜ聞いた?

まぁよくわからないけど
この男を放っておいて
アタシは仕事を再開しよ。


ノートパソコンと
ついでにテレビの電源も入れて
しばらくカタカタと入力していると―――


「風邪引いてんなら
 こんな時まで仕事するなよ」


そう言いながら
土鍋をテーブルに置き
小皿とレンゲまで準備している。

よく土鍋の場所なんてわかったな…
ウチの台所を知り尽くしてんじゃないか?


「卵粥を作ったから
 しっかり食べて薬を飲んで寝ろ」

「…ありがとう」


全部命令形なのがキズですが。
煌月なりの優しさなんだろう。

仕事を一時中断し
用意してくれた夕飯を食べると
意外にちょうどいい味付け。
食べてる間にリンゴまで切って持ってくるし
どこまで女子っぽいんだ、この男は。


「隣人になんでも出来るヤツが住んでると
 こういう時に助かるわー」

「…そうかよ」


テーブルを挟んだ正面で
煌月はお茶を飲んでいるけれど…
ん?酒は飲まないの?