「セツナ…」


人生とか将来だとか
そんなのアナタに決められる筋合いなんてない。
何を背負わせたのか知らないけど
アタシはただの荷物だって
あの時のあの言葉で全部理解した。


「もう…
全部忘れるって決めたアタシの気持ちわかる?
 帰ってきてまた勝手な事ばっか言わないで…」

「ごめん…セツナ。
 何も理解してやらなくて…。
 頭を冷やしたくて連絡もしなかった。
 すべてを0に戻すのに時間が掛かって…
 この6年
 傷つけたままにして、ごめん。
 もう遅いのはわかってる。
それでもまだ、お前の事を愛しているんだ…。
 その気持ちは、今までもこれからも変わらない」


本当に、もう遅い…
今更あの頃に戻るなんて、無理に決まってる。
それなのに…
どうしてまだアタシの中でモヤモヤしてんの?


「今回の企画で一緒に仕事をしてみて
 セツナの凄さに
 正直、惚れ直したんだ…
 やっぱすげぇイイ女だな」


寂しそうに悲しそうに笑わないでよ…
ズルイでしょ、そんなの。


「気持ちを整理させたいから
 独りにさせて…」


今は頭が、働かない…