「ココのところ
 この企画の事で無理をさせたな…。
 体調崩してた事に気付かなくて悪かった」


申し訳なさそうに謝る陽向さん。


「アナタが悪いワケじゃないんで
 謝らないでください」


自分を追い込んだのは
アタシ自身なんだし。
本当に陽向さんは悪くないんだから
逆にそんな事をされても困る。


「今日はもう帰ったほうがいい。
 もっと熱が上がるかもしれないし
 家でゆっくり休め」


って言われたけど…
上司はこの人じゃないし
そもそも
この人に言われる事じゃないでしょ。


「広報課長には俺から伝えておく」

「自分で言うから。
 大丈夫です…」


企画での仕事も終わったし
コレ以上はこの人と関わる必要なんてない。
だからもう…


「これ以上
何もしないでください。
アナタと関わりたくたくないんです」


思わず
口に出してしまった。

もちろん言ってから
『あ…』ってハッとしましたよ。


「え…」


彼は少し驚いた様子で
『どうして?』って顔をしている。

どうもこうも


「アタシ達
 別れているんですよ?」


他に理由がないでしょうが。