「ふぅ…
 なんでもない…」


あとで薬を飲もう…。


「陽向さん
 彼女を少し休ませてください。
 コイツの体―――」

「やめて、煌月ッ」


心配してくれてるのはありがたいけど
約束したでしょうが。
元カレに“その話題”は禁止だって。


「行きましょう、陽向さん」

「え…おい…」


この人に
今のアタシの状況なんか話したら
間違いなくこのプロジェクトから降ろされる。
ココまで頑張ってきたのに
こんな簡単にあっさり終わって他の人にパスとか
誰だってイヤに決まってる。

諦めが悪いだけに
それだけは譲らない。


だけど…
自分の想像以上に
アタシの体力は限界を迎えていたらしかった―――


PM11:00


「お、終わった…」


それぞれの資料にホッチキスで留め
あとは明日課長に最終チェックしてもらい
トップに渡ってアタシの仕事は終了っと。


「…コホッ。
あー…しんど…」


風邪引いたかなー…最悪。

デスクに突っ伏し
仕事の達成感と脱力感に見まわれながら時計を確認。
なんとか日付けが変わる前に終わらせられて
ちょっとホッとした。