「おい、今何時だと思ってんだ」
出たと思ったら
開口1番そんな反応。
「それはこっちのセリフ。
今アンタ何してんの?」
「は?
こっちは今仕事終わったんだよ」
ほら
やっぱりそうじゃん。
「まぁ、そうだろうね。
だと思ったわ」
「はあ?
会話が成り立ってねぇんだけど」
「そんな事より。
早乙女さんが心配してた。
アンタの帰りが遅いって」
そう言った瞬間
少し間が空き
煌月は何かを思い出したらしく。
「…そうだった」
と意味深に呟いた。
「その感じだと
『マズイ、連絡し忘れた』ってとこ?」
「…あぁ」
「まったく…
勘弁してよね。
彼女『帰って来なくて不安』って
ウチにまで来たんだから」
「は?マジ?」
「マジです。
じゃなきゃイチイチ電話なんかしない」
そう答えると
電話口で溜め息を吐く煌月の声が聞こえた。
「まだアンタの部屋にいるだろうし
早く帰ってやんな?
たぶん今頃、大泣きしてるだろうし」
強ち間違ってないでしょ?
「七星、お前は…」
「何?」
「あんまり遅くまで起きてるなよ?
早く寝ろな」
え?