なんとかかんとか説得し
やっと部屋に戻ってくれたところで
アタシも仕方なく煌月に電話をしてみるも。


“お掛けになった電話番号は
 電波の届かない場所にあるか
 電源が入っていないため掛かりません“


留守電へと切り替わってしまっていた。

仕事中なら当たり前だわな。


「連絡がない事が
 そんなに心配になるもんか…?」


アタシは特に連絡をする相手もいないから
そういう心配をした事がなかったけど
彼女からしてみたら
“いつもと違う”って事は
怖くて仕方ないんだろうな…。

今後使わなそうだけど
覚えておこう。


―――AM0:00


「やっと区切りがいいところまで出来た」


『ふぅー』と一息入れ
コーヒーを飲みながら時計を確認。


「煌月…帰ってきたっけ?」


そんな気配は感じなかったけど…。
とりあえず
もう1度だけ電話してみるか。

まだ仕事だろうなーとか呑気に考えながら
ヤツに電話したら
今度は呼び出し音に変わっていた。

そして少し鳴ったところで。