「どう…しました?」


怪しい人物ではない事が確認出来たため
普通にドアを開けた途端―――


「ななせさぁぁぁぁん!!!」

「え!?」


アタシの顔を見るなり
突然泣きながら抱き着いてきたではないか。

彼女が泣きつくほどの事だから
まず間違いなく煌月が原因だろうな。


「何かあったの?」

「ジンくんが…」


ほら、やっぱり。


「煌月がどうしたよ?」

「ジンくんが…
 帰って来ないの~ッ」

「・・・え?」



今、なんと?


「今朝はね?
 今日の帰りは早いって連絡来てたのに
 全然帰って来ないし
 LINEも電話もしても繋がらないの!」

「そう…なんだ」


いや、まだ22時だから。
残業とかで仕事してるんじゃ…


「もう10時なんだよ?
 なのに何も連絡がないなんて…」


いやいやいや
22時で仕事してる人なんて
世の中いっぱいいるからね?


「仕事…なんじゃないかな?」

「違う!絶ッッ対違う!!」


言い切られたぁぁぁ!

どっから来るんだこの自信ッ


「もしかしたら
 連絡出来ないくらいのトラブルとかが
 起きたんじゃないのかな?」


我ながら
ナイスフォロー。