「へぇー
随分楽しそうじゃん」
翌日、広報部に入り浸る煌月に
昨日のアタシと彼との打ち合わせを
軽めに話したら、こんな反応。
「は?
アタシの話聞いてた?」
「あぁ、もちろん。
感動の再会をしたと思ったら
すぐに共同作業をする事になって
恋が芽生えたって話だろ?」
あっぱれなほど
見事な捏造だ。
「はぁ…もういい。
アンタに話したアタシがバカだった」
それだけは確信したな。
「けどその新しい企画
結構デカいプロジェクトなんだろ?
しっかりやらねぇと降ろされるんじゃね?
浮かれてる場合じゃないな」
「浮かれてない。
それに
そんな事は重々承知」
だから元カレが関わっているからって
ウダウダ言ってる場合じゃない。
課長はアタシに一任してくれたし
元カレもだけど、他の部署の人達も関わる。
簡単にミスして済まされる話じゃない。
だから頑張らないと…
「…とりあえず
身体には気を付けてやんな」
「無理も無茶も承知。
仕事だからね
それくらい覚悟のうえ。
あ、彼にはアタシの事故の事は言わないで」