「じゃぁ別に中に入れるだろ。
 仕事しに来たんだから」

「お、おう…」


なんかよくわからないけど
煌月のペースに乗せられて
雰囲気で編集室に足を踏み入れてしまった―――


まぁもちろん
ヤツがこちらに気付くのに
時間は要さなかった。


「セツナ…?」


うわ。
久しぶりに名前とか呼ばれた。


「ど、どうも…」


結局、挨拶とかしないといけない感じになるし…
5年ぶりの…変な感覚。

外見は
少し変わった…?

当時もハーフみたいな顔つきで
目鼻がはっきりしていたけど
歳を取ったからなのか
外国にいたからなのか
更に男らしくなってる。
心なしか少し筋肉がついた気もする…。

進化したのか。


「すげぇ…
 セツナ…めちゃくちゃイイ女になってる」


いきなり何…
イイ女とかなってないから。
アナタと違って
こっちは退化していく一方です。


「…元気そうで何よりです」


何を言ったらいいかわからず
当たり障りない挨拶しか出来ない。


「あぁ。
 セツナ、お前もな…」


あー…
なんとも気まずい。
どのタイミングで『じゃっ』って言えばいいのさ。
隣でずっと煌月は無言だし
助け船を出してくれッ