…とは言え
付き合っていたのは半年間だけ。
アタシが入社して2年近く経った頃の話だけど。
彼が海外に行く事が決まって
そして捨てられた。
渡米してから1度も連絡もなく帰国もせず
数年の時が過ぎて…
なぜ今帰ってきた?
「感動の再会してくれば?」
「余計な事言うなッ」
んでもって
楽しそうにニヤニヤするな。
厄介な事に
コイツだけはアタシ達が付き合っていた事実を知っている。
もちろん話したワケではないけど
感がいいからバレた。
「『やっと忘れられたのに
顔見たらまた好きになる…』って
言いたそうだな」
「ならんわ、バカ」
なるワケがない。
あんなにあっさりフラれて
現実の恐ろしさを身に染みて実感したくらいだ。
それに。
「付き合ってた日数より
離れていた年数の方が長いんだから
好きって感覚もなくなる。
半年の愛ってのは“情”も出ないモンだね」
我ながらビックリしてる。
なんか他人事みたい。
それでも
なんとなく会いたくはない。
イラっとするからだってのはわかってる。