「でもどうしてそんな大きな企画をアタシに…?」


アタシには何か特別な才能を持っているワケでもないし
他の人よりブランクもある。(入院していたためね)

なのに、なぜ?


「もともと広報の担当はしていたが
怪我の事もあったし無理はさせなかった。
しかし知識や情報に優れているし
七星はライターとしてのスキルもある。
 経験も培ってきたし試してみようかと思ってな」


うわ、まさかまさかのベタ褒め…
それは照れるってモンだよ、課長さん。


「あとは七星の気持ちと努力次第だが
 どうする?」


そんなの答えなんて1つしかない。


「もちろんやります。
 やらせてください」


二つ返事に決まっていた。
だってどうしてもやりたかった事だから。

同期で入った煌月が
編集部で上に上にあがっていく後姿を
ただ追いかけていた日々だった。

だから挑戦してみたい。
その気持ちが1番強い。


「そうと決まれば
 さっそく編集担当と打ち合わせだ」

「はい」


課長と一通りの話を済ませ
清々しい気持ちで課長室を後にした。