「ビックリしたんだぞ?
 電話が来たかと思えば
 『助けて』って意味深な言葉だけ残して通話は切れるし
 たまたま近くを通っていたから良かったけど
 玄関先で真っ青な顔して倒れていたんだから
 こっちが心臓止まるかと思った」


聞いただけでも
なんとも壮絶なシーン…

必死だったから
それどころじゃなかったけど
アタシ本人より
まわりの方が驚く光景だったのか。


「ご迷惑をお掛けしました…」


巻き込んで申し訳ないです、陽向さん。
どうしてアナタに連絡したのか
未だによくわからないんです、はい。


「何があったかは知らないけど
 セツナは自分の体の事をよく考えろな?
 1人で倒れて
 もしあのまま誰にも気付かれなかったら
 命だって危なかったかもしれないんだぞ?」

「…はい。
 すみません…」


この人の言う通りだ。
あんな状態に陥ったのは久々。
イロイロ考えてたら涙が出て…
感情のコントロールが
上手く出来なかった。

どうするつもりだったんだろ、あのまま
アタシは…


「もう少し
 ゆっくり休め。な?」

「…はい」


そっか。
この人の優しさに
助けられたんだ――