真っ暗な廊下を歩いていると
とある1つの部屋の隙間から漏れる光を見つけ
そーっとドアを開けてみるが。


「うッ…
 コホッ、コホッ」


開けた瞬間
突如ものスゴイ煙草の煙たさに咽てしまった。

窓もカーテンも閉めっきりの部屋で
灰皿には数本の煙草の吸殻と
テーブルには何本もの酒の空き缶が転がっている。

当の本人は
未だ煙草を吸いながら
ソファに寄り掛かって放心状態。

見てすぐにはわかったけど
想像した以上に
荒れた状況だった。


「なんでこんな環境の悪い状況を作ってんのッ」


煙草の煙に咳が止まらないけど
今はそれどころじゃなく
急いで、ありとあらゆる窓を全て開け放した。


「煙草嫌いな人にとったら
 ココはマジで地獄だな…」


窓の外の澄んだ空気を吸いつつ
煌月に目を移すも
まるで生きた屍のように眼が死んでいる。

こんな事になったのはたぶん
悩みとストレスからなんだろうけど…
煙草と酒に走って
今にも壊れそうなコイツを見るのは初めてだ…


「煌月、アンタ大丈夫?」


近付き声を掛けてみても
こっちもこっちで反応がない。