間接的ではあるが
煌月が今どういう状況で
どうしているのかは少しわかった。

まさか仕事にも来ていたなんて…
同じ会社にいるのに
ましてや隣に住んでいるのに
何も知らなかった…。

あ、そうか…

アタシはたぶん今まで勘違いしていたんだ。

隣に住んでいて同期って仲で
顔を合わせればバカばっか言って
飲みに行ったり泊まったりしてたけど…
ただそれだけなんだよね。

付き合ってるワケじゃないんだし
家族なワケでもないし。
だからそこまでアイツを深く知ってるはずがないのに
何してんだろ。
あり得ない事だよ。

踏み込んではいけないんだ…

アタシがこれ以上
アイツに関わったらダメな気がする…

仕事の同期って関係性だけで
たまたま隣に住んでるだけで
それ以上でもそれ以下でもない。

けれど彼女は違う。
早乙女さんは煌月の―――


「おーい、セツナ？」

「え？」

「大丈夫か？
　ボーッとしてたみたいだけど」


陽向さんに呼ばれてハッと我に返り
その問い掛けに
『はい…』と首を縦に振った。