「テメェそれ以上くだらねぇ事言ってると
 素っ裸にして路上に放置してやる」


こ、怖ぇ…
目がキレてるって、マジで。
路上に放置されんのもイヤだけど
素っ裸にって…
考え方が変態だよ。

あんまり冗談を言ったら
相当お冠のこの男には通用しないだろう…
早めに帰ったほうが良さそうだ。


大人しく言う事を聞き
煌月の背中に乗ると…


「お前…」

「ん?」

「…いや、なんでもない」


…なんだ?
乗った瞬間、何か言いたげだったのに
少し考え事をしたかと思えば
言葉を噤みやがった。

何か文句があるのだろうか。
普通に背中に乗っただけなのに。


あまり深くは考えず
そのまま自分の部屋に帰宅。

酔っていながらも自力で鞄から鍵を取り出し
開けてもらい中へと入る。


「しっかり布団で寝ろよな。
 俺は戻る」

「あー…うん
 ありがとう~悪かったね…」


リビングまで運んでもらい
手を振って見送ろうとした…が。


「う゛…」


突然の吐き気に
アタシは急いでトイレへと駆け込んだ。


「…オェ…
 ゴホッ、ゲホッ…」

「お、おい…
 大丈夫か…?」