食べ物はほとんど食べられず
結局、酒ばかりが進む。
こんな事してちゃいけないのはわかってる。

でも今日くらい仕方ない。
考えさせられる出来事が度重なると
どっかーんって爆発する感じ。
うん、たぶんそれ。

噂もキツイし
早乙女さんと話をしなきゃいけないのに
心のどっかで恐怖も感じている自分もいて
引っ越さなきゃいけないのに…


「それが1番イヤなんだよ…」


レタスサラダをシャキシャキ食べながら
そんな独り言。

新居探しも引っ越しの準備も
大変な事は多いし簡単じゃない。
でもそれ以上に
あの部屋から離れる事に尻込みしてんだよ。

入社してからずっと住んでるし
住み心地も悪くない。
不便を感じる事もなければ
家賃等もまぁほどほどだ。

だけど何よりも…


「煌月と離れんのか…」


・・・ん?

アタシ今
なんか口走った?


サラダを掴んだ箸を口に運ぶ手前で静止。
自分の発言の意味を
言った本人がビックリしてんだから世話ない。


「待て待て待て。
 寂しいとか思ってんの?」


アタシは誰に問い掛けてんのよ。