「お疲れ様です、陽向さん」

「今日から煌月
 仕事復帰してるぞ~」

「え。」


なんでその情報をアタシにした?
別にだから何って…
そもそもアナタには関係ない事でしょうに。


「早乙女さん休みみたいだけどな」


え?彼女が休み?
煌月の復帰日に…?
絶対一緒にいると思ったんだけど…

いや、いやいや
だから関係ないんだって。


「もうそういう情報いらないです。
 イロイロとモメるだけだし
 仕事に差し支えが生じるので言わないでください」

「へ?そうなのか?」


『知りたいと思ってたんだけどな』みたいな
キョトンとした顔でアタシを見るな。
そういう心配りが障害になるんです。


「噂とか陰口とか
 もう懲り懲りなんで」


トン、トンと
印刷した書類をまとめながら
平然を答えると。


「そっか…
 まぁあんまり深く考えないほうがいいしな!」


そう言ってポンっと軽く背中を叩かれた。
なんだ?
優しい上司に仕事を励まされた気分だ。