そんな噂をしていれば…


「ジ~ンくんッ」


“ひょこ”っていう効果音がピッタリな感じで
出版社から顔を出した早乙女さん。

まさかアタシ達の会話を聞いていたんじゃないかってくらい
もう本当にすごいタイミングよ、アナタ。

そして彼女の登場により
一気にどんよりした表情になる煌月。
わかりやすッ


「あ、七星さんも来ていたんですね」


キラキラした笑顔を浮かべる彼女の
その“裏”が見え隠れしていますが。


「何しに来たんだよ…」

「もちろんお仕事よ?
 編集長に用事があってね。
 それでせっかくココに来るんだし
 ジン君の顔も見ようかなって」

「…そうかよ」


アタシが同じセリフを吐いたら
絶対言い返してくる煌月が
圧倒的に押されてるッ
しかも大人しいッ
意外すぎて面白い光景だな。
ちょっともう少し見ていたいわ。


「2人で
 なんの話をしていたの…?」


そうだった…
早乙女さんに仲良さげな事が知られたら
半殺しの刑に処されるんだった。