―――その頃。


「話ってなんですか?」

「キミが会社に何をしたのか
全部聞かせてもらおうか」


アタシの知らないところで
陽向さんは倉庫に早乙女さんを呼び出して
女相手に喧嘩を売っていたみたいだ。
学生の頃の体育館裏でタイマン張る、そうアレのように。


「よくわかんないんですけどぉ
 私が何をしたんですかぁ?」


彼が何を言わんとしているのか百も承知なくせに
白々しく可愛いスマイルを向け
天然女子を発揮させる早乙女に対し。


「俺に嘘ついても無駄だよ。
 あの写真やら情報を会社中にバラしたのって
 キミなんでしょ」


“ネタはすべて揃ってる”って勢いを込めて
気持ちにブレのない声で核心に触れる陽向さん。


「何を証拠に私だと?」

「それはない。」


ってオイ。ないんかい。
急に説得力が弱くなったなぁ


「証拠は確かにないけれど
だけど変だと思わない?
あの写真を撮った人物も
どうして夜の遅い時間に会社にいたのかって」


初の名探偵アルト見参か!?
探偵と犯人の攻防戦と言える闘いだ!