公私混同するつもりはないし
あくまで普通にしていたいけれど
仕事に支障が出てきたな。


「だけどこんなんじゃ
まだ全然償えてないか…」


良い人ぶるつもりはないけど
早乙女さんに与えた傷はかなり深いだろうし
イヤな思いさせてしまった事は
悪いなとは思っている。


でも今のアタシに
何が出来る?


何かしてもらいたいとか
たぶん彼女は望んでない。
しなきゃいけない最善の方法は
煌月から離れる事。
ただそれだけ、か。


「このアタシが珍しく食欲ないなんて…」


PM12:00
お昼を食べようと
いつものように社員食堂に立ち寄ってみたモノの
どうにもご飯を食べる気になれない。

薬を飲むために
唯一食べれたデザートのヨーグルトを口にしていると
スーツのポケットに入れているスマホが
振動しているのに気が付いた。

見れば
煌月からの着信だ。


「うわー…最悪。
 出ちゃマズイよなぁ…」


スルーすべきと考え故意に着信を切り
気付かなかった事にしようとしたのに
切断する度にアイツは何度も掛け直してくる。