「本当は夕方で終わる予定だったのに
 別の仕事でトラブってまだ終わらねぇんだよ」

「マジで?
 あんまり遅くなると終電逃すよ」


アタシはあのハードスケジュールだったときは
危うく逃しそうになったし。

なんかいろんな意味で可哀想なヤツなんだな。


「じゃぁそう思うなら
 俺のためにコレ、コピーな」


そう言ってアタシの目の前に数枚の書類。
え、まさかアタシに手伝えと?


「薬と差し入れだけのはずなんすけど」

「へぇー、拒否すんのかぁ。
 いつも無事に顛末書が提出出来てんのは
 誰のおかげだっけか」

「今すぐ手伝わさせて頂きます」


クソぉ!
人の弱みにつけこみやがって!


「コピーが終わったら
 他にもやる事あるから急いでやれよ。
 それとこっちの書類はパソコン入力と
 あ、それはまとめてファイルしておけ」


ブ、ブラック上司だ…
コイツの下で働く部下は
毎日コキ使われてんだろうな。


ただひたすらブラック煌月を手伝う事
数時間―――