「飲み物まで用意するとは
さすが七星」

「お褒めの言葉をどうも」


アタシのときのお礼みたいなモンだけど。


「しかもコレ…」


そう言いながら袋から取り出したのは
誕生日にと買ってきたショートケーキ。


「誕生日に1人で仕事して過ごすのは寂しいかと思って
気分だけでもプレゼント。
 やっさしい~っしょ」

「七星お前…
 そんなに俺の事…」

「ウルサイ、勘違いやめて」


その如何にも
“煌月ラブ”みたいなニュアンス、何。
そんな甘ったるい会話
微妙な空気になるから勘弁して。


「お前の飯…
 あいかわらず甘みが強い」



早速食べ始め
そんな反応って…


「文句があるなら食べるな」

「文句なんて言ってねぇだろ。
 俺はこの方が好きだし」

「あ…そう」


まさか褒められてる…?
そう言うわりには無表情すぎるわ。
マジで読めないヤツ…


「それよりも風邪は大丈夫なの?」

「どうだろうな。
 気分は最悪だ」

「じゃぁなんで仕事してんの」

「昨日1日撮影やらなんやらで潰れて
 自分の仕事が一切出来んかったから
 今日休日出勤して穴埋め」


あー、そういう事ね。