アタシの予感は
あながち間違ってないらしく。


『わっかんねぇけど…
 夕方から調子が悪いんだよ…』


あー…
完全に風邪だな、コレは。


『ったく、こっちはその電話をお前にしてんのに
人の話を聞けよな』

「すんません…」

『前にお前にあげた風邪薬と頭痛薬
 まだ残ってるよな?
 今から持って来い』

「…はい?」


確かに残ってはいるけれど
どうしてアタシが持って行かないといけんの!?


「早乙女さんに頼めばいいじゃん」

『どうしてヒナコに頼むんだよ。
 お前が持ってんのに』


…そりゃそうだ。
いやそれじゃダメなんだって。


「風邪薬なら
早乙女さんだって持ってるんじゃないっすか?」

『いいから今すぐ持って来い。
 腹も減ってるから
ついでに差し入れもな』

「え、ちょッ」


【ツー…ツー…】


き、切られた。


「あの男
 どうしていつもこう勝手な事ばっか…」


アタシは夕飯を食べようとしてたんだよ。
缶ビールまで開けて
今まさに“いただきます”の瞬間だったのに。


「…仕方ない」


この前は
アタシが看病されたという仮があるからね。