どうしてデート中のアイツから電話が来てんの?←決めつけられてる。
まさか…
『近くに良いラブホとか知らね?』とかか!?


「いやいやいや
 さすがにアイツに限ってそんな事…」


あり得るかもしれん。
たまにイマイチ女心をわかってないヤツだからな。
って…アタシも同類だったなぁ。


「…もしもし」


考えていても仕方ないので
ひとまず出てみた。


『俺だけど』

「…詐欺は間に合っております」

『は?』


名を名乗れ。
オレ詐欺かと思ったわ。

あー、それと。


「ラブホの場所は知りません」

『はぁ?』

「デート中に他の女に電話するって
 どういう神経してんの?」

『テメェさっきから何言ってんだ?
 頭おかしくなったか?』


あら失礼。
ちょっと妄想が口に出てしまったようです。
ついでに頭ん中は絶好調です。


「早乙女さんとデートしてんのかと思った」

『どうして俺がそんな面倒な事すんだよ。
 こっちは今まだ仕事してんだ』

「え、誕生日なのに仕事?」

『誕生日?
 …あー、俺か』


もしやこの男
自分の誕生日を忘れていた?