あまりに一方的すぎたせいか
なんかイロイロと止められてる声がしたけど
全部無視してカフェをあとにした―――




「元カレとカフェデートして1日終わった…な」


夕飯の食材が入ったスーパーの袋を両手に
歩きながらそんな独り言が零れた。

“カフェデート”って。
誰が元カレとデートしなきゃいけんのよ。







PM7:00


「うむ。我ながら美味」


夕飯作業中。
って、料理を作業とか言ってる辺りヤバイな。
いつも酒ばっか飲んでるイメージがあるかもしんないけど
一応作れるのよ?お料理。


「だけど盛り付けはヒドイ」


食器棚から適当な皿を数枚出し
ザザッと盛り付けて出来上がり。
ご飯は見た目じゃないの、味なのよ味。


「今頃あの男は大好きな彼女と
あーんな事やこーんな事(以下省略)
してんのかね」


冷蔵庫から缶ビールを取り出し
夕飯と共に頂こうとした、まさにその時だ。

微かだけどスマホのバイブの振動が聞こえる。

えっと、確か鞄に入れてたはず。


鳴り終わる前に見つけ出し
画面を見てビックリ。


「煌月?」