隣では煌月はゲッソリした表情をしているし
この数時間でだいぶ殺られたんだな。


「撮影がもう終わっちゃったのが残念…。
 本当はもっとジンくんの傍にいたいけど
 仕事に戻らないと…」


寂しそうな表情を浮かべた早乙女さんは
煌月と離れる事に名残惜しそうな様子で
この場を去っていった―――


以前より発言が積極的になってきたような気がするのは
アタシだけ…?

仮にその予想が当たっているとすると…


「もしかして、早乙女さんと何かあった?」


とりあえず1番ありえそうだったから
煌月本人に聞いてみた。


「はぁ~?」


うわ、めちゃくちゃ不機嫌。
まぁ、そうだわな。
それでなくても疲れてるこのタイミングはいけなかったか。
こんな質問して悪いね。


「何かってなんだよ」

「それは知らないけど」


だってただの勘だし。


「何ワケわかんねぇ事言ってんだよ。
 俺も自分の仕事があるから戻るぞ」


早乙女さんとは真逆に
テンションがガタ落ちの煌月は
最後まで不機嫌のまま
スタジオを後にした。