―――PM2:00


「デートをイメージした感じで
 もう少し近付いてッ!」

「表情が硬いなぁ~
 もっとリラックス!
 あ、ちょっと髪型直してくれる?」


カメラマンとファッション雑誌の担当者が
次から次へと注文を付け
それに応える2人だけど
嬉しそうに満面の笑みを浮かべる早乙女さんと
真っ青になって顔が引きつる煌月。
なんとも対照的でなかなか見られない光景だから
アタシ的には面白いよ。


「いろんなシチュエーションがあるから
 全部違った感じでやって!」


注文内容がヘビーすぎる…。
コレは煌月にとってはツライだろうな。


「副編集長!
 それだと全然ダメ!
 もっと自然にやってもらわないと
 載せられない!!」


…ほらね。
ダメ出しの説教が怖すぎます。
聞いてるこっちが参りそう。


「煌月の気持ち
 アタシにもわかる…」


そもそも今回のテーマが
アタシにとってもハード。


“デートに着ていくカップルのファッション。
 記念日・イベント・誕生日によって女の子は
様々な服装で思い出を作り
彼の心を独り占めにする“