「あれ?その企画って
 確か煌月も載るんだったような気がしたんだけど」

「え…?」


背後から肩越しにアタシが読んでた雑誌に指さしてきた陽向さん。
ちょっと!近いってッ


それに煌月が載るって…
まさかアイツ、モデルにでもなんの?


「恋愛特集だろ?
 “デートに着ていくファッション”って事で
 総務課の早乙女ちゃんとウチの副編集長の煌月が
 候補にあがってるんだ」


マジでモデルか!?


「え、どうして煌月が候補に?
 そもそも副編集長がモデルに登場していいの?」

「煌月はモデルに適任だよ。
 この会社でトップのイケメンだからな。
 眉目秀麗で身長もスタイルも申し分ないし。
 副編集長で仕事量は大変だろうけど
 他部門の勉強にもなるから経験しておくべきだって
 編集長からの意見でもあるんだ」

「へ、へぇ…」


確かにイケメンというモノには
ヤツはピッタリかもしれないけど
モデルなんてイヤがりそうですが…


「よく煌月は了承したね…その仕事」

「いやそれが
 説得するのにかなり苦労していたのは知ってる。
 編集長が頭を悩まさせてたからな。
 アイツの性格からして
 絶対やりたがらないから」


アナタもアイツの事をよくご存じで。