なぜか頭の後ろに手を当てて照れ臭そうにそっぽを向く。

そんなの……ダメなわけない。嬉しい。すっごく嬉しいよ。

藤原くんだって恥ずかしいのをこらえてわたしに伝えてくれた。

自分の気持ちを。

まだ、正直怖い。人と関わるのが。

だけど、藤原くんはわたしに気持ちを伝えてくれた。

今度はわたしが藤原くんに返す番。ほんの少しだけ勇気を出してみる。

震える指先。そっと藤原くんに手を伸ばす。

わたしの方から手を差し出す番。

今日、藤原くんの背中に届かなかった手のひら。

でも、きっと今ならわたしは手を伸ばせる気がする。

大丈夫、できる。そう自分を励ます。

わたしから視線を外す藤原くんの肩をポンポンっと叩くと藤原くんがこちらを向いた。

今度は、わたしが勇気を出す番。