耳まで赤くなって、喉の奥がきゅっと詰まる。

言葉がでないときに感じるあの症状とはまた別の症状。

わたし、へんだ。どうしよう。困ったな。心臓がおかしいくらいに大暴れしている。

「あっ、今の言い方だとストーカーっぽいな」

藤原くんは黙っているわたしの手を掴んで手のひらの上にストラップを置いた。

「俺からのプレゼント」

そして、再び歩き出す。

「……――っ!!」

待って。お願い、待って藤原くん。

ストラップをもらったお礼、まだしてないよ。

メモ帳とペンを持つ手が震える。

ちゃんといいたい。ありがとうって。目を見てこの気持ちを伝えたい。

嬉しかった。ストラップをもらえて。

その気持ちが。藤原くんのその気持ちがわたしは涙がでそうなぐらい嬉しかったんだ。

今、それを藤原くんに伝えたい。

わたしの体は勝手に動き出していた。

一歩大きく踏み出して藤原くんのブレザーの腰部分をぎゅっと掴んだ。