「はい」

すると、藤原くんはストラップの包み紙を開けてわたしに差し出す。

えっ?わたしは小さく首を横に振る。

ダメだよ。だって、藤原くんあんなに喜んでたのに。

立ち止まってメモ帳にペンを走らせる。

【もらえないよ】

「なんで?」

【藤原くんほしかったんでしょ?】

「いやいや、ないだろ!俺、そういう趣味ないよ?」

困ったように笑う藤原くん。

「結衣に似合うって。こういう系のキャラクター物好きだろ?」

藤原くんの言葉に目をぱちくりさせる。

どうして?藤原くんを見つめて首を傾げると、藤原くんは笑った。

「結衣って文房具とかキャラもの持ってんじゃん?こういう、なんていうの、なんか可愛い系のやつ。名前とかわかんないけど」

なんで……知ってるの……?

わたしの右側にいる藤原くん。

何故か急に右側の頬だけがジンジンと熱くなる。