【大丈夫】

「うん?」

メモ帳に書いた文字を見て彼が首を傾げる。

【スカートの下に体操着】

「ん?」

【ハーフパンツ】

「ハーフパンツ?」

【クルクルまくる】

「ん?スカートの下にハーフパンツクルクル巻いてはいてんの?」

うんうん、と二度うなづくと藤原くんはブハッと吹き出した。

えっ?どうして笑うの?わたし、変なこと言った?

急に不安になって首を傾げると、藤原くんは目に浮かんだ涙を指で拭った。

「ごめんごめん!まだその話続いてるとは思ってなかったから」

えっ?もう終わってたの?いったいいつ終わった?

急に恥ずかしくなって書いた文字をペンでぐちゃぐちゃに消そうとしたわたしの手を藤原くんが掴んだ。

「それ女子が絶対やっちゃいけないやつだから。男の楽しみを奪うなよ~」

藤原くんの切実な言い方がおかしい。

声を出さずにふっと笑うと、藤原くんもつられて笑った。

「結衣は笑ってる方がいいよ」

藤原くんが何の気なしに発した言葉に動揺して、ペンを持つ手に思わず力がこめてしまった自分が情けない。