ねぇ、結衣。あなたはどうしたいの?このまま誰とも関わらずに一生生きていくつもりなの?それで本当にいいの……?

自分に問いかける。

手のひらの中にある新品のメモ帳とボールペンは藤原くんの気持ち。

同じクラスになったばかりで関わり合いなどなかったわたしに藤原くんはコンタクトを取ろうとしてくれている。

図書委員に誘ってくれた。図書館だよりを一緒に作ろうと言ってくれた。

わたしが逆だったらそんなことできない。

相手に拒否されたら傷付くことになるから。

『一人で抱え込むのって辛いじゃん?だから、言ってよ。俺にだけは。俺はちゃんと結衣のこと受け止めるから。だから――』

信じたい。信じてみたいと思った。

藤原くんのその言葉を。

ペンを持つ手が震える。

一歩だけ。一歩だけ踏み出す勇気を出したい。

藤原くんだって勇気を出してわたしに提案をしてくれたに違いない。

『俺と会話しよう。俺と結衣、二人っきりで話そう』

その言葉に応えたい。

わたしはゆっくりとメモ帳にペンを走らせた。