分かっている。でも、それしか道はない。
スピーカーから流れるチャイムと同時に廊下に溢れていた生徒たちが一斉に教室へと吸い込まれていく。

わたしひとりだけがぽつんと残された廊下。

クラスメイトの言葉は正しい。

わたしはしゃべることができない。

――この狭い、学校という空間の中では。

わたしはいつだってひとりぼっちなんだ。

このまま消えてしまいたい。本当の透明人間になれたらどんなに幸せだろう。

わたしはそっと目をつぶり天を仰いだ。