「今日、なんか暑いな。もう衣替えしてもよくない?」
隣を歩く藤原くんは歩きながら紺色のブレザーを脱ぎ、ネクタイを緩めた。
どうしてこういう流れになってしまったんだろう。
わたしと藤原くんは川崎さんに頭を下げて荷物をまとめて図書室を後にして、そのまま下駄箱に向かった。
上履きから革靴に履き替えて昇降口を抜け、そこでさよならになるはずだった。
少なくともわたしはそう思っていた。
「もう暗いし」
と独り言なのか何かの言い訳なのかよくわからないセリフをポツリと呟き、校門を出たあとも彼はわたしの横から離れようとしない。
彼が言うほどまだ辺りは暗くない。
歩いて家へ向かうわたしの横でさもそれが当たり前のような顔で時折今のように話しかけてくる。
振り切って逃げようと思えば逃げることはできる。
藤原くんだって逃げるわたしをわざわざ追いかけたりしないだろう。
隣を歩く藤原くんは歩きながら紺色のブレザーを脱ぎ、ネクタイを緩めた。
どうしてこういう流れになってしまったんだろう。
わたしと藤原くんは川崎さんに頭を下げて荷物をまとめて図書室を後にして、そのまま下駄箱に向かった。
上履きから革靴に履き替えて昇降口を抜け、そこでさよならになるはずだった。
少なくともわたしはそう思っていた。
「もう暗いし」
と独り言なのか何かの言い訳なのかよくわからないセリフをポツリと呟き、校門を出たあとも彼はわたしの横から離れようとしない。
彼が言うほどまだ辺りは暗くない。
歩いて家へ向かうわたしの横でさもそれが当たり前のような顔で時折今のように話しかけてくる。
振り切って逃げようと思えば逃げることはできる。
藤原くんだって逃げるわたしをわざわざ追いかけたりしないだろう。