「結衣、おーっす!」
教室に足を踏み入れた瞬間、回れ右してきた道を引き返したくなった。
どうしてこうも大きな声でわたしを呼ぶんだろう。
これって、新手の嫌がらせかなにかだろうか?
クラス中の視線が一斉にわたしに注がれる。
得意の斜め45度を見つめ、背中を丸めながら周りの視線から逃げるようにそそくさと席に着く。
でも、わたしの前の席にはそもそものきっかけを作った藤原くんがいる。
こめかみがきゅっと痛む。
椅子に腰かけると同時に藤原くんが振り返った。
「今日もいい天気だなー」
ギュッと机の下で藤原くんに見られないようにスカートを握り締める。
周りの女子は藤原くんの一挙一動にすべての意識を集中させているみたい。
あまりの居心地の悪さに背中に嫌な汗をかく。
「結衣ってスマホ持ってる?」
スマホ?持っているけど、どうして?
「番号交換しよう」
藤原くん、そんなの無理だよ。
交換したって電話でしゃべることはできないんだから。
もちろんメッセージのやりとりはできる。
でもわたしとやり取りしたって藤原くんは楽しくなんてないだろう。
教室に足を踏み入れた瞬間、回れ右してきた道を引き返したくなった。
どうしてこうも大きな声でわたしを呼ぶんだろう。
これって、新手の嫌がらせかなにかだろうか?
クラス中の視線が一斉にわたしに注がれる。
得意の斜め45度を見つめ、背中を丸めながら周りの視線から逃げるようにそそくさと席に着く。
でも、わたしの前の席にはそもそものきっかけを作った藤原くんがいる。
こめかみがきゅっと痛む。
椅子に腰かけると同時に藤原くんが振り返った。
「今日もいい天気だなー」
ギュッと机の下で藤原くんに見られないようにスカートを握り締める。
周りの女子は藤原くんの一挙一動にすべての意識を集中させているみたい。
あまりの居心地の悪さに背中に嫌な汗をかく。
「結衣ってスマホ持ってる?」
スマホ?持っているけど、どうして?
「番号交換しよう」
藤原くん、そんなの無理だよ。
交換したって電話でしゃべることはできないんだから。
もちろんメッセージのやりとりはできる。
でもわたしとやり取りしたって藤原くんは楽しくなんてないだろう。