「今から行けばいいんじゃん!タピオカミルクティー飲んでから映画館に行く。結衣の家には突然行くと迷惑だし今度にしよう」

「うちはたぶんいつでも喜ぶと思うけど……」

『藤原くんといつ会わせてくれるの?』

と母に耳にタコができそうなぐらい何度もそう聞かれた。

「マジで?じゃあ、今日は結衣の家にお邪魔しよう」

ニッと子供のように笑った藤原くんにわたしも微笑む。

そのとき、「あっ」と藤原くんが声をあげた。

「どうしたの?」

「いや、俺、一番大切なこと結衣に言ってなかった」

「大切なこと?」

「そうそう」

大切なことって、いったいなに?

首を傾げて藤原くんの言葉の続きを待つ。

「結衣」

「なに?」

真っすぐわたしを見つめる藤原くんの顔から笑みが消える。

「俺、結衣が好きだ。俺と付き合ってください」

藤原くんの言葉に心が震える。