けれど、そんなわたしの願いもむなしく状況は更に深刻さを増していく。

ピーピーピーっと甲高い機械音とともに心電図の上部が赤く点滅する。

その瞬間、ICU内の全員の手が止まった。

波状が真っすぐのラインになる。

そんな……。嘘だ。こんなの嘘だ。

心が引き裂かれてしまいそうなほど胸が痛む。

「マズい、心停止だ!!電気ショックするぞ!!急いで準備して!」

医師が叫ぶ。更に慌ただしくなる。

「離れて!!」

物凄い衝撃にベッドの上の藤原くんの体がビクンっと揺れる。

「ダメだ、もう一度!!離れて!!」

先生の声に看護師たちがベッドから距離を置く。

「奏多、頑張れ……!」

「奏多!!戻ってこい!!」

おじいさんとおばあさんの声にぐっと沸き上がる感情を抑えきれなくなる。