更にもう一人が飛び出し、廊下に向けて叫んだ。
「藤原奏多さんのご家族の方いませんか!?」
切迫している様子のその声に思わず立ち上がる。
「あ、あのっ、藤原くんは……」
「たった今、容体が急変しました。ご家族の方ですか?」
看護師さんの言葉に返事をすることができない。
「あのっ」
「――奏多の家族です」
すると、藤原くんのおばあさんとおじいさんが慌てた様子でこちらへやってきた。
「危険な状態です。ご家族の方、中へどうぞ」
看護師が先を歩く。
「そんな……そんなの嫌だ……嫌だよ……」
ボロボロと自然に涙が溢れる。
「結衣ちゃんも一緒に行こう」
おばあさんがわたしの手を掴んだ。
「奏多が頑張れるように一緒にいてあげて」
足ががくがくと震える。
わたしはおばあさんに手を引かれてICUに足を踏み入れた。
「藤原奏多さんのご家族の方いませんか!?」
切迫している様子のその声に思わず立ち上がる。
「あ、あのっ、藤原くんは……」
「たった今、容体が急変しました。ご家族の方ですか?」
看護師さんの言葉に返事をすることができない。
「あのっ」
「――奏多の家族です」
すると、藤原くんのおばあさんとおじいさんが慌てた様子でこちらへやってきた。
「危険な状態です。ご家族の方、中へどうぞ」
看護師が先を歩く。
「そんな……そんなの嫌だ……嫌だよ……」
ボロボロと自然に涙が溢れる。
「結衣ちゃんも一緒に行こう」
おばあさんがわたしの手を掴んだ。
「奏多が頑張れるように一緒にいてあげて」
足ががくがくと震える。
わたしはおばあさんに手を引かれてICUに足を踏み入れた。