4月28日。場面が急に切り替わる。

うつろな目をしたわたしがなぜかビルの屋上に立っている。

雲一つない真っ青な空は手を伸ばせばすぐに触れられそうなほど近くに感じる。

もちろん、触ることなんてできないけれど。

どうしてこんなことになってしまっているんだろう。

わたしの人生はいったい何だったんだろう。

生きる意味も分からず今日まで過ごしてきた。

ずっと斜め45度の世界で生きてきたわたしが顔を持ちあがるタイミング今だなんてあまりにも皮肉だ。

太陽の日差しが顔を痛いぐらいに照らす。

でも、これでようやくわたしは全ての痛みや苦しみから解放される。

そっと目を閉じる。やっぱり南側はうるさい。

北側はあんなに静かなのに。

――死のう。もう無理して生きるのを辞めよう。

全部、今日ここで終わらせるんだ。

そう心に決めて靴を脱ぐ。

周りの喧騒が消え失せていく。

ビルの屋上から下を見下ろすと一瞬だけ足がすくんだ。